手軽に食べられるピザは、国と文化の壁を越え、世界中で最も多く消費されているメニューの 1 つです。冷凍ピザの世界小売販売額は 2012 年に 119 億ドルに達し、世界の冷凍食品全体の販売額の 10% を占めています。¹

2012 年、世界全体で 135 万トンの冷凍ピザが購入されていますが、そのうち西欧が49%、北米が 38% を占めており、大部分が欧米諸国での売上となっています。¹ また今後、中南米、特にブラジルで大きな伸びが見込まれています。¹  

現在、世界 120 か国で提供されているピザの普及が拡大した背景には、アメリカで開発された低水分タイプのモッツアレラチーズがあります。また、同じくアメリカで開発された個別急速冷凍 (IQF) 技術により、世界のどこにいても最高品質のシュレッドチーズを手に入れることができるようになり、人件費を最小限に抑えることが可能になりました。全乳および部分脱脂乳を使った溶けるチーズも、近距離であれば冷蔵、海外であれば冷凍で出荷できるようになっています。部分脱脂乳モッツアレラの 20～50% を、プロボローネ、モントレージャック、チェダーなど全乳を使ったチーズに変えることで、オイルオフ特性の影響を抑えながら、新たな風味が得られるとともにメルト性を調整することができます。上記の中では、より深い焼き色をつけることのできるチェダーが人気です。 

米国乳製品業界では、チーズ入り生地や、IQF チーズ、新たなチーズ ブレンドなどの新製品や、美味しさを損なわずに減塩が可能なパーミエートなどの原料を提供することで、新しいコンセプトのピザの開発をサポートしています。また、米国産乳製品および乳製品原料を使うことで、革新を続けながら流行に合わせたピザを提供し続けることができるようになります。米国産乳製品についての詳細は、「製品」セクションをご覧ください。 

ピザの最新トレンド

忙しい現代のライフスタイル、そして経済的な面からも、スーパーなどで購入できるピザは消費者にとって非常に魅力的な商品です。²  

競争の激しい市場において、ピザを扱う食品メーカーは、次のトレンドをいち早く発掘すべく目を光らせています。新発売されたピザのうち、人気の高いフレーバーの多くにチーズが使われています。² 一方、これまでにない意外なチーズの組み合わせを取り入れることで、消費者の健康志向に合わせてカロリーをカットした、斬新な味を実現することができます。 

また、世界中のピザメーカーが、舌の肥えた消費者のニーズに応えるべく高級レストランの味を再現した商品に着目しています。さらに、ピザのスピンオフ商品として、手軽に食べられる小さめサイズのピザが販売されています。  

味のセンセーション

ピザの商品開発においては、家族や友人とともに楽しめて、買い置きもできる、レストランの味を再現したような本物志向のピザに大きな注目が集まっています。² 焼くだけで食べられる冷凍ピザや冷蔵ピザが充実してきたことで、出前やテイクアウト、外食に比べて、便利でお財布にも優しい食事が自宅で楽しめるようになりました。²  

あらゆる冷凍・冷蔵ピザにおいて、モッツアレラ チーズやパルメザン チーズは引き続き人気の高いチーズですが²、今までにない意外な組み合わせのチーズ ブレンドを使うことで、斬新な味を楽しめるピザもお目見えしています。モッツアレラ チーズをベースとして、プロボローネ、モントレージャック、チェダーなど風味の強いチーズを少量加えることで、カロリーをカットしつつ満足度の高い味を実現できます。また、健康ブームに合わせて塩分を抑えたピザに注目する各メーカーにとって、味を損ねることなく塩分を抑えることが可能な乳由来のパーミエートは強い味方となります。  

便利なスピンオフ商品

便利さを極め、かつ健康面もある程度考慮した手軽な 1 人用食品へのニーズは、世界規模で食品と健康の分野を活性化する大きな要因となっています。³ 工夫あふれる新商品への需要により生まれた、ディッピング ピザ、ベーグル バイツ、ピザ ポケットなどのピザのアレンジ商品は、便利な食品に対する消費者の関心の高さを顕著に表しているといえます。⁴   

乳製品の活用

米国産乳製品原料は、味、機能、そして栄養の三拍子そろった、優れた原料です。以下の表に、代表的な乳製品原料がもつメリットが示されています。