健康とウェルネス

ヨーグルトと健康

あらゆる年代の消費者に高い人気を誇る乳製品、ヨーグルトの種類はバラエティに富んでおり、優れた栄養価と味わいと形態で、世界中の消費者の健康ニーズを満たしています。非常に幅広い風味のものが用意されており、果物、グラノーラ、キャンディーまで混ざっているもの、何も入っていないもの、スプーンですくうもの、絞るもの、飲むものまであるヨーグルトは、小売り包装された便利な製品の良い見本です。レストランのメニューとして人気がありますが、ヨーグルトはそれ以上に、食材としても役立ちます。自慢のスムージーの栄養価を高めたり、シェフが料理の流行に合わせたオリジナリティを加えたりすることができ、スープ、ドレッシング、ソース、ベーカリー製品などに使用できます。

味の好みとライフスタイルのニーズは変化します。そのためヨーグルトは、めまいがするほど数多くの風味、たんぱく質含有量、脂肪レベルの組み合わせのものが用意されており、消費者の要望が変化しても応えることができます。また、無脂肪のもの、低脂肪のもの、全乳で作られたもののいずれの場合も、「ライト」つまり低カロリーの製品が手に入ります。一般的に優れたたんぱく質源となるギリシャ ヨーグルトの人気は急激に高まっています。たんぱく質を豊富に含んだギリシャ風の製品は、2014 年に米国小売店で販売されたヨーグルト総量の 36% を占め、前年度を 10% 上回りました。これは、2009 年の米国小売店のヨーグルト売上総量に占めていた割合がわずか 2% だったことと比較すると、急激に高まっています。1  

ヨーグルトの最新トレンド

ヨーグルトと健康

長い間、多くの文化圏で主食である米国産ヨーグルトの消費は、盤石な状況が続いています。2012 年の米国産ヨーグルトの 1 人あたりの平均消費量は 6kg でした。1kg 未満 (907g) だった 1975 年と比較すると大きな進歩ですが、2012 年に 1 人あたり約 27Kg を消費したフランスとドイツには遠くおよびません。3 しかしながら、ヨーグルトは米国のレストランで、単独の朝食メニューとしては上位 5 位に入る消費量です。2 その一方で、飲むヨーグルトと発酵飲料の人気は世界中で上昇しており、過去 5 年間の複合年間成長率は 12% です。3 健康的な朝食の一部として、満足感のあるおやつとして、食事の付け合わせとして、または甘いデザートとして、ヨーグルトには次のような特徴があります。

  • 栄養価が高い。
  • 善玉菌など、健康に良い特徴が加わる。
  • 味に魅力があり、持ち運びに便利で、ほぼ無制限の品揃え。  

栄養価の高いヨーグルト

ヨーグルトは栄養豊富な食品です。人生のさまざまな段階で、たんぱく質をはじめとする幅広い栄養素を摂取するのに適しています。ヨーグルトの主成分は牛乳です。そのため、ヨーグルトは必須アミノ酸を含む高品質なたんぱく質の供給源となります。必須アミノ酸とは成長のあらゆる段階で必要なもので、体を作り、細胞を修復する働きがあります。4  

多くの人々が毎日の生活に十分なたんぱく質を食事からとろうとします。そこで栄養価に優れたヨーグルトは便利な選択肢となります。一般的に、1 食分の容器で 5g を超えるたんぱく質を摂取することができます。たんぱく質以外にも、普通、1 食分のヨーグルトには 200mg を超えるカルシウムが含まれています。このためヨーグルトは、この重要な栄養素の優れた供給源といえます。また、ビタミン A、ビタミン D、リン、カリウム、リボフラビン、ビタミン B12 など、その他の必要不可欠な栄養素も摂取できます。  


さまざまなヨーグルトの種類と含まれる栄養素の抜粋

ヨーグルトの栄養素


健康に良いヨーグルトの特徴

消費者はおいしさと同時に、健康のニーズも満たす製品を求めています。ヨーグルトはその期待に応え、栄養価と消化のしやすさといった、健康的な特徴を備えています。また、幅広い品揃えで提供されており、子どもや十代の若者から、成人や高齢者にいたるまで、あらゆる年齢の、そして人生のあらゆる段階のニーズを満たします。  

ヨーグルトには、発酵の過程で殺菌牛乳からヨーグルトに変化させるのに必要な、生きた活発な培養菌が含まれています。一部のヨーグルトには、ほかにも体に良い細菌、善玉菌が含まれており、それらは消化を助けます。善玉菌には、乳製品に関わる長い歴史がありますが、ヨーグルトのような発酵乳製品は特にそうです。  

研究では引き続き、免疫システムと健康的な消化管に関して、活発な培養菌の効果を探る調査が行われています。ある研究では、ヨーグルトの摂取量が増えると、特に胃腸感染症などの免疫関連の疾病に対する抵抗力が高まることが分かりました。この抵抗力の高まりは、ヨーグルトに含まれる活発な培養菌の存在と関連があります。5  

ヨーグルトと消化管機能の別の研究では、特定の胃腸の状態 (乳糖不耐症、便秘、下痢、大腸がん、炎症性大腸炎など) がある場合、ヨーグルトの摂取が効果的かも知れないという結果が出ています。この研究の著者たちは、胃腸の機能に対するヨーグルト摂取による効果について、消化管のミクロフローラ、腸の通過、胃腸の生来の性質、適応的免疫反応などの影響によるものである可能性が最も高いと考えています。6  

乳糖不耐症の場合、ヨーグルトには他にもメリットがあります。それは消化しやすいということです。ヨーグルトのスターターには乳糖を分解する酵素のラクターゼが含まれています。  

味の魅力、持ち運びのしやすさ、品ぞろえの豊富さ

ヨーグルトはあらゆる年代の健康ニーズを満たす乳製品です。ヨーグルトの持つ数多くの有益な特質によって、おいしい食品としても、他の食品や飲料に加える食材としても、その需要は高まっています。米国でのヨーグルト消費量は天井知らずの勢いで伸びています。その理由の 1 つは、消費者が食生活により多くのたんぱく質を取り入れたいと強く望んでいることです。ヨーグルトは栄養補給バー、飲料、シリアルなどに加える食材としても人気が高く、特にたんぱく質が豊富なギリシャ ヨーグルトは人気があります。  

便利なパッケージと持ち運びのしやすさもまた、家でも外出先でも、ヨーグルトの消費につながっています。ヨーグルトには数多くのさまざまな形態があります (かきまぜたり、ミックスしたり、フルーツにかけるもの、絞ったり飲んだりするもの、スムージー、ギリシャ風、フローズンなど)。この幅広さによって、消費者を引きつけ、ヨーグルト カテゴリーへの需要を促進し続けています。  


1 IRI Custom DMI Market Advantage Database.December 2014.
2 Datassential.U.S. restaurant tracking, 2008-2013.
3 Innova Database.Drinking Yogurt/Fermented Beverages.October 2013
4 Bos C, et al. Nutritional and Physiological Criteria in the Assessment of Milk Protein Quality for Humans.J Am Coll Nutr.2000. 19:191S-205S.
5 Meydani S, Ha WK.Immunologic effects of yogurt.Am J Clin Nutr.  2000.  71:861-872.
6 Adolfsson O, et al. Yogurt and gut function. Am J Clin Nutr.2004 80:245-256.